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日本語で歌う外国歌曲の魅力


十五日、東京・下北沢のアレイホールで佐山真知子が9年ぶりのリサイタルを開いた。それを聴きながら改めて日本語で歌うことの豊かな可能性を感じた。
 佐山は長年こんにゃく座の歌役者として活躍し、現在はフリーで活動しているが、その歌いぶりは高座の噺家のような風情がある。歌物語「ほうすけのひよこ」(谷川俊太郎詩・林光作曲)はもちろん、山田耕筰の「あわて床屋」などの歌曲でも、詩が喚起する世界をまるでオペラのように歌っていく。それは明晰な日本語の響きと、聴き手にしっかり届けようとする声と身体が生み出す彼女ならではの表現である。
 面白かったのは、シューベルト、シャブリエ、ショスタコーヴィチ、モーツァルトなどの歌曲を日本語で歌う後半のプログラムだった。なかでも林光訳によるショスタコーヴィチのユダヤ民族詩による歌曲「子守歌」「警告」やチョールヌイの詩による<五つの風刺>の第3曲「子孫」などを聴くと、辛辣な風刺と警句に満ちた詩の内容が音楽と一体となって迫ってくる。こうした生々しい臨場感をロシア歌曲で味わったのは初めてだった。
 これは日本語ならではのメリットだと思う。優れた訳詩で外国歌曲を歌う取り組みはもっと試みられてもいいのではないか。(韶)
                    

08.6.19.新聞「赤旗」より



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